99%カット

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 3
生産者撮影シーン

99%カット?
糖質のことではありませんし、プリン体のことでもありません(笑)

昨年より生産者さんの動画を制作する事業を進めています。いわゆるプロモーション動画ってやつです。プロモーションとは販売促進活動のこと。生産者さんの想いをターゲット顧客へ伝え、商品を売り込み、さらには投資家へのPRも目的としています。

取材では、僕がビデオカメラを持って、圃場や生産現場を撮影して回ります。またインタビューもじっくり2時間ほどさせていただきます。もちろんこれも動画で記録します。

一生産者さんに対して、長い場合、5時間分もの記録データがたまります。この後、動画編集を担当してくれるエキスパートの方と、あれやこれや議論しながら、一つの動画を作り込んでいきます。

「この生産者さんの一番の特徴はなんだろうか?」
「過去の経歴が、今の彼/彼女に活かされていることは?」
「差別化のポイントはどこにあるだろうか?」
「どんなお客さんに向けたメッセージを組み立てべきだろうか?」
「どんな順番で伝えれば、投資家さんに響くだろうか?」

結構時間がかかる作業です。そして、最終的に仕上がってくる動画の長さは・・・

たったの3分!

5時間分の記録が、たったの3分に・・・。これが99%カットの意味です。ほとんどの撮影データが日の目を見ずに終わります。

じゃあ、最初から効率よく、ピンポイントで、数分程度の撮影をすればいいんじゃないか?という意見もあります。確かに、総撮影時間は長すぎるかもしれません。取材者としての僕のスキルの未熟さもあるかもしれません。

しかし、この動画制作を通して分かったことは、最初から効率を追求すると、見えないもの/見つからないものがあるということ。大量なもののなかに、キラリと光るものが散りばめられているからです。そぎ落とし、そぎ落とし、そぎ落としていく中で、やっと宝物にたどり着きます。

どこにその宝物が含まれているかは、最初の段階で見抜くことは難しいものです。

あなたも、会社のこと、商品のこと、農園のこと、加工場のことなどを、上手くパンフレットに表現して、PRしていきたいと考えているはずです。

僕のところにもよく相談者が来るのですが、自分の差別化要素がどこにあるか分からない、どのようなメッセージを発したらよいか分からない、という人が多くいます。そういう人の大半が、効率良くやろうとしすぎて、逆に答えにたどり着けなくなっています。

あなたの会社の最高のPRメッセージをつくるためには、あらゆる視点で会社や商品や地域のことを眺め、まずは大量の情報を紙の上に書き出さないといけません。次にそぎ落とす作業に入ります。そうしないと本当に良いものにたどり着きません。

販売活動についても同じことが言えます。ある程度ターゲットを絞り込むことは大切ですが、あとは大量行動あるのみです。

営業で百発百中なんてありえません。100件訪問して、数件しか買ってくれなかった、なんてことはザラです。展示商談会でも200枚名刺交換して、しっかりフォローアップしたのに成約したのは1件だけという経験が、僕にもあります。ほんの1%しか成約に結び付かない・・・。営業活動とは、NOと言われ、拒絶され続ける活動だと言えます。

自分のやったことの99%がカットになっても、それは無駄になったということではありません。少しずつ成功確率を高めていく、大切なプロセスなのです。

– 田中良介

P.S. 最近制作した動画はこちら(長野県小諸市のワイン葡萄生産者さん)

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。世界の食品トレンドにも精通している。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加