「天然」は必ずしも安心安全を意味しない(クリーンラベルから学ぶ)

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クリーンラベル
アヌーガ レポート
~ 食の世界最新トレンドをビジネスへ取り入れる⑦ ~

世界の食品産業では、「クリーンラベル(Clean Label)」が大きなトレンドとなっています。知らない人は、以下をまずお読みください。僕が2016年に書いた記事です。このころから海外ではクリーンラベルが脚光を浴び始めていました。

クリーンラベル(Clean labels)が表す世界的なトレンド

クリーンラベルとは何でしょうか?昨年ドイツ・アヌーガに行ったとき、世界中の人に改めて「クリーンラベルとは何だ!?」と質問してみました。

ある人は「それはフリーフロム(Free from)のことです。」と言い、またある人は「E-number(EUで定められた添加物リスト)を使っていないことです。」と答えました。

上の写真をご覧ください。イスラエルの加工製造を請け負っている企業です。クリーンラベル対応が可能であることを謳っています。

CLEAN LABEL  ― DRINKS CONSUMERS UNDERSTAND(消費者が理解できる飲み物)

確かに、クリーンラベルの意味を一言でいうと、こんな感じになるでしょう。

でも正直な感想、皆さん定義があやふやだなあと感じました。あやふやというより、中途半端といったほうが良いかもしれません。

様々な事例を見聞きしてきた結果、実はクリーンラベルの定義そのものは、さほど重要ではないと思っています。これは時代を表す概念であり、消費者の行動やニーズを知るための考え方なのです。

この考え方を理解できれば、商品開発とマーケティングの大きな大きなヒントを得られます。さらには食品業界の動向が手に取るように分かるようになります。

そのエッセンスをあなたにもシェアしたいと思います。ぜひ事業に取り入れてください。複数回シリーズで書きます。

まずは少し前のトレンドから振り返ってみましょう。

天然原料、無添加

高度成長期のころの食品は、ひどいものが多かったです。僕の子供のころです。添加物だらけでした。駄菓子屋さんで買ったお菓子も、不自然な鮮やかさと味でした。

その後、安心・安全・健康などが重要視されるようになりました。添加物を極力控えて、天然の原材料を使った食品がもてはやされるようになりました。

しかしここで一つの疑問が生じます。天然であれば、安心安全なのか?ということです。自然界にあるものでも、毒素を持っていたり、人間の体には合わないものがあります。無農薬で作った野菜が、病気の場合もあります。天然原料だけど、栄養素に乏しいものもあります。無添加という言葉が氾濫していますが、なにがどう無添加なのか分からないケースも見られます。

「天然」は必ずしも安心安全や健康を意味しないのです。

あなたの商品の特徴や営業トークが、もし以下のレベルで止まっていたら要意です。

「これは無添加で、天然の原材料のみを使っているから安全です。」

一昔前なら、お客さんもこれで納得してくれました。しか今は消費者が良くも悪くも知識をつけてきています。この程度の商品特徴では、もはや納得してくれません。この変化は作り手の予想を上回るものです。

次回に続く

– 田中良介

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この記事を書いた人

田中良介
田中良介
アグリマーケティング株式会社 代表取締役

食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。また6次化を推進する自治体への支援にも注力している。プロモーション漫画の制作や、記事・コンテンツ制作への評価も高い。
自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
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