クリーンラベルとクリアーラベル(世界の食品トレンドから学ぶ)

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クリーンラベル
アヌーガ レポート
~ 食の世界最新トレンドをビジネスへ取り入れる⑧ ~

世界的な食品トレンドであるクリーンラベルについて、前回記事からの続きです。今日の内容は濃いです!食品事業者にとっては必須科目ですので、理解できるまで何度も繰り返してお読みください。

クリーンラベルの概念は2つに分けることができます。クリーン(Clean)とクリアー(Clear)です。この2つの違いとは何でしょうか?英語なのでちょっと分かりにくいかもしれませんね。

・クリーン(Clean)とは、身体に良い原材料を使用していること
・クリアー(Clear)とは、原料生産工程、加工プロセス、サプライチェーンなどの消費者に対する透明性

を表します。

それでは詳しく見ていきましょう。

1.クリーンな原材料を使う

クリーンとは、天然原料やオーガニックの農作物など、体に良い原材料を使っていることを指します。

クリーンラベル
天然カラーにこだわる傾向も、クリーンラベルのトレンドの一つ

これは「体に悪いものを使わない」と言い換えることもできます。クリーンを実現するうえで欠かせない考え方が、フリーフロム(Free from)です。特定の原材料を使っていないこと、特定の栄養分を取り除いていることを言います。

例えば、Free from

✓ 人工保存料
✓ 人工着色料
✓ 人工甘味料、精製糖
✓ 抗生物質
✓ ホルモン剤
✓ MSG(人工的なうま味調味料)
✓ GMO(遺伝子組み換え)
✓ グルテン(小麦たんぱく)
✓ ラクトース(乳糖)
✓ その他、大豆などアレルギーを引き起こす食品群など

Free-From
フリーフロムをPRする企業

フリーフロム
クリーンラベル商品の典型的なPRパターン

一つ注意点があります。何をフリーフロムにするかは、ターゲット顧客次第であるということ。あなたのお客さんにとって何が最適かを考えましょう。小麦アレルギー対応であれば、グルテンが入っていないことが求められます。しかしそれ以外であれば、さほどグルテンフリーにこだわる必要はありません。

少し余談になりますが、グルテンフリーにすることにより、アレルギー物質が取り除かれます。しかし同時に、たんぱく質、繊維質、ビタミンB、鉄分なども失われます。世の中には「グルテンフリーが全てだ!」のような謳い方をしている商品がありますが、それは消費者を間違った方向へ導きます。これはクリーンラベルの意図していることではありません。

フリーフロム(Free from)は完璧な考え方ではありません。何事にもメリットとデメリットが共存しています。作り手であるあなたが、まずはそれを理解しておかなければなりません。

あなたのターゲット顧客が求めていることをしっかり把握しましょう。そのうえで、その人たちに突き刺さるメッセージとして、フリーフロムPRを活用するのです。

フリーフロムと並んで大切なことが、シンプルであることです。

・使っている原材料の数が少ないこと
・消費者が一般的に知っている原料を使うこと
・加工プロセスがシンプルであること

「シンプルさ」は、消費者にとって分かりやすさにつながります。これは次に述べるクリアー(透明性)とも絡んできます。

2.クリアー(透明性、見える化)を徹底する

残念なことなのですが、消費者はあなたのことを信用していません。食品偽装の事件なども大きく影響しています。またインターネットの発達により、消費者が、良くも悪くも食品の知識を身につけてきています。

あなたが商品について「これはすべてナチュラルな原料を使い、無添加で作っています。」と言うだけでは、もはや十分ではないのです。それを証明しなければなりません。詳細な情報を消費者に提示することによって、やっと信頼を勝ち取れます。

透明性
Transparency(透明性)が重要なキーワード

✓ 加工品の原材料は、どこで誰がどのように作ったものなのか?地域は?農場は?

✓ もし一般的でない原料を使っている場合、その詳細情報

✓ どのうような加工プロセスを経ているのか?乾燥させているのか?発酵させているのか?煮ているのか?また品質管理の手順はどのようになっているのか?

✓ 栄養成分表示

✓ 作り手のプロフィールやこだわり(高品質な商品を作るに値する技術など)

✓ サプライチェーン

✓ 環境面へ配慮しているか?

これらを消費者に公開しましょう。できる限りパッケージやラベルに記載しましょう。感度の高い消費者は、購入前に必ず裏ラベルを確認します。

自社栽培
大豆のスナック菓子。オーストリアの自社畑で栽培したものであることを謳っている。

しかしラベルに記載するだけでは、あなたは消費者に伝える努力を怠っています。これからは様々なチャネルを使う必要があります。

パンフレット、ホームページ、ブログ、SNS、店頭販売、チラシ、DMなど・・・。様々な媒体を使って、あらゆる角度から消費者に伝えましょう。最近では、ラベルにQRコードを貼っておき、そこから詳細説明サイトへ簡単にいけるようにしている商品も見かけます。

ポイントは「分かりやすく分かりやすく」。消費者を混乱させるような専門用語を使ってはいけません。聞きなれない原材料や加工手法については、かみ砕いて説明するようにしましょう。そうしないと、本来は体に良い原材料を、添加物と勘違いされてしまう恐れがあります。

また情報公開は一回やってお終いではありません。絶えず、消費者とコミュニケーションを取り続けなければなりません。継続性は大きな差別化に繋がります(すなわち多くの事業者がこれをできないのです。)。

消費者は、信用のできる本物の食品を求めています。このニーズは益々高まっていきます。これに応えられない企業はこれからの時代淘汰されていきます。

◇◆

さていかがだったでしょうか?

あなたが製造販売している商品について、まずクリーン(Clean)とクリアー(Clear)という基本姿勢を持つことが必須です。そして上記で挙げた点を実行できているか確認してください。できていないことがあれば、ぜひ取り掛かりましょう。一つずつで構いません。

その一歩があなたの商品価値を高めることに繋がります。価格設定にも影響してきます。

ここまでが基礎編。次回はクリーンラベル応用編について書きます。お楽しみに!

– 田中良介

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この記事を書いた人

田中良介
田中良介
食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。世界の食品トレンドにも精通している。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
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