スーパーマーケットトレードショー2018

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バラスパークリング

先週、スーパーマーケットトレードショー2018へ行ってきました。いつもの癖で、全力でがっつり見て回りました。

あなたの商品開発のヒントになりそうなものを、いくつかピックアップしてシェアしたいと思います。なぜか今回はドリンク系に目が行きました。

完全に女性視点!バラのスパークリングロゼ

最近、さまざまなノンアルコールのスパークリングが発売されていますが、ついにバラで色と香りをつけた商品が登場しました。佐賀県の生産者さんです。お酒を飲めない人向けというコンセプトにプラスして、美容サポート/ヒアルロン酸配合をPRしていました。完全に女性視点で開発された商品ですね。すでに生産量が追い付かないとか。

我々おっさんの時代はもう終わりましたね(笑)。バイヤーさんも、もっと女性が活躍すべき時代なんだと思います。

毒々しいが、実は天然由来の着色料

この毒々しい色は・・・。これは植物由来のスピルリナと呼ばれるもので、栄養価の高いスーパーフードだそうです。藻から抽出したものなので、もともとは緑色ですが、その抽出の仕方でキレイな青色が表現できます。ナガノワインで、この青い色を誰か試さないかなー、ってふと思いました。

ちなみに皆さんおなじみのガリガリ君。この青色はスピルリナでつけています!まじですか!ガリガリ君の色は、植物由来のスーパーフードだったとは。見直しました。

このような天然由来の着色料は、これからもっと伸びるはずです。ドイツ・アヌーガに行ったときも、ナチュラルカラリング(Natural Coloring)商品がたくさん出展されてました。

そのギャップ感がたまらないスポーツビール

アスリート向けのスポーツビール?もちろんノンアルです。しかし、日本のノンアルビールと違って、添加物が基本的に入っていません。原料は確か小麦と言ってました。このようなノンアルコールビールは実は栄養価が高く、体の回復を早める効果があるとのことです。欧米版の甘酒ってところですかね?このギャップが驚きです。

これもこれから伸びるであろうナチュラルエナジードリンクのカテゴリーです。

消費者の声を徹底的に生かす

    

こちらは大手メーカーのワインです。ハーフボトル2本入りのケース。パッケージにたくさんの文字が並んでいますが、これはすべてターゲット顧客である女性にヒヤリングした消費者の生声です。たとえば・・・

「これがフルボディってやつか」
「澄んだ赤色。こんな石のリングが欲しい」
「迷わず、SNS」
「今日のお家ディナーはちょっと本気」
「しっとり、うっとり気分いい」
「間接照明に照らされて飲みたい」
「シャルドネマジック」

これが、一部のワイン愛好家やソムリエの意見になると「このシャルドネは、ココナッツなどトロピカルフルーツのふくよかな香りがして、食事とのマリアージュは・・・」と小難しい評論になるんですよね。また生産者も専門的な方向に走りがちです。消費者とのギャップが広がってしまうと、売れる商品も売れなくなります。

ここで僕が言いたいのは、消費者のリアルな声を聞きましょう、ってことです。

あえてソムリエ視点で表現する

これはカナダブースでもらったチラシです。カナダでは、メープルシロップのソムリエがいて、ワインのようにうんちくを語るそうです。「このシロップは、北欧のキノコの香がする・・・」みたいな感じで。

いままで商品の味と香を、ストレートに表現していたのであれば、他の果物や食品の香りに例えてみましょう。あえて、ソムリエのような専門的な方向に傾けるのです。上記の「消費者の声」の事例と矛盾するようですが、あなたの商品の置かれている状況に応じて、PR方針を柔軟に変えてみましょう。

驚異的に速いフォローアップ

これはメープル樹液100%のメープルウォーター。成分はスポーツドリンクと似ており、運動後に飲むと効果抜群だそうです。しかもオールナチュラルで甘さは控えめなので、体にも優しいですよね。ココナッツウォーターの次はこれがヒットしそうです。

おまけですが、このカナダの生産者さんのフォローアップがとてもユニークでした。僕がブースを訪問した一時間後に、「Thank you」メールが送られてきました。もちろん予め準備していた定型文だと思いますが、これだけ素早くフォローアップされると、印象に強く残ります。

あなたも展示会出展したときは、一部の有望なバイヤーさんに対して、このフォローアップをやってみると効果的だと思います。お試しあれ。

– 田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
Innova Market Insights社の日本カントリーマネージャー。世界の最新トレンドとマーケティングに精通しており、食品企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。 日本と世界をつなぐ架け橋となり、食品企業のレベル向上に貢献することがミッション。 海外での講演活動にも精力的に取り組む。
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