「受け売り」が基本

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食べ方提案

「これどうやって食べたら美味しいんですか?」
「この食材を使ったレシピを教えてください。」

って、バイヤーさんに聞かれることがあります。とくに飲食店のシェフから聞かれることが多いです。

あなたの取り扱っている食材が、特殊であればあるほど突っ込んで聞かれます。一般的な食材であったとしても、聞かれると思っておいた方がいいです。

あなたは商談において、その答えを準備しておかなければなりません。FCPシート(商談シート)を作成したことのある方は分かると思いますが、そこにも「利用シーン」という欄があります。レシピや食べ方提案を書き、展示商談会などで使います。

しかしここで悩みが生じます。「どうすれば買い手をうならせるようなレシピや食べ方を提案できるだろうか・・・」

あなたは生産者なので、もちろん食には敏感なはず。でも、プロのバイヤーやシェフを納得させるほどのネタを持っていないかもしれません。僕も一時、それで悩んでいました。

料理研究家を監修として雇って、斬新なレシピを開発をしたほうがいいのでは・・・と思ったこともあります。実際、そのような取り組みをしている生産者もよく見かけます。それはそれで素晴らしいことだと思います。

しかしある時、もっとはやく、そして手軽に、プロをうならせる食べ方の提案をできることに気が付きました。今日はそのやりかたをお教えします。

それは「プロの受け売り」です。

数年前、僕は6次化商品である国産巨峰の干しブドウを売り歩いてました。今でこそ国産ドライフルーツが市場に溢れていますが、当時はまだほとんど出回っていませんでした。

価格も高いし、それに見合った食べ方提案もできなかったので、なかなか販売することができませんでした。とあるフレンチレストランに営業に行ったとき、成約には至りませんでしたが、シェフにこんなことを言われました。

「この大きな巨峰ドライを、カモのテリーヌに入れたら、見栄えもいいし美味しいと思う。」

カモのテリーヌ???

当時、フレンチのことなどさっぱりだった僕は、言葉の意味すら分かりませんでした。でもとりあえず、シェフの言葉を頭にインプットしました。

同じ日、他のフレンチレストランに営業に行ったときに、対応してくれたシェフにこう言ってみました。

「この大きな巨峰ドライを、カモのテリーヌに入れたら、見栄えもいいし美味しいですよ。」―― 笑えるくらいの受け売りですよね。

しかしそのシェフの答えは・・・

「あーなるほど、カモのテリーヌね。それならうちで使えそう。では一ロット注文します。」

ま・じ・で?

初めてまともな(?)食べ方提案をして、プロに受け入れてもらえた瞬間でした。レシピ開発費ゼロ円。

ここにお客さんの声を聞くことの大切さがあります。いわゆる現場の声です。

あなたがどれだけ凄い監修をつけてレシピを開発しても、それが本当にお客さんの現場に即しているか分かりません。的外れな開発にお金を注ぎ込んでいる可能性があります。理想のレシピと、日常的に現場で使えるレシピは異なるのです。

だからまずは、食のプロであるお客さんに、どんな食べ方がよいか聴くことから始めましょう。営業に行ったときに、あわせて聴くのが効率的です。それこそが、リアルな現場での利用シーンであり、同等のターゲット顧客にも響くレシピなのです。

またこれらの情報を自分自身にインプットしていくことにより、あなたの営業トークに磨きがかかることは言うまでもありません。

– 田中良介

この記事を書いた人

田中良介
田中良介
食品企業の販路拡大や6次産業化を支援。産地に軸足を置き、現場視点でのサポートが特徴。自らも一農業者として、6次産業化を地を這いつくばりながら進めた経験あり。世界の食品トレンドにも精通している。
2015年 新潟市主催(日本食糧新聞社運営)の6次化大賞グランプリを受賞
2016年 中央サポートセンター(全国版)の6次産業化プランナー認定
2017年 日本食糧新聞社 特派員としての活動も開始
2017年 世界最大の食の見本市「ドイツ・アヌーガ」へプレスとして参加
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