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昨年度は、各地域の料理好きのおばあちゃんたちと出会う機会が多くありました。彼女たちから学んだことを何回かに分けて書きます。
料理好きのおばあちゃん
料理好きのおばあちゃんたちと話していると、皆さん、生き生きしていて若い。表情が豊かで、目が輝いています。料理に対する思い入れも強い。
なぜ彼女たちは若いのか考えてみたい。
素材を活かす様々な調理方法
調理の仕方は、ナマの食材なら、色々なドレッシングを作ってかけます。漬物なら、塩・味噌・醤油・酢・糠(ぬか)・酒粕他を素材によって使い分ける。
水を加えて煮る・蒸す。油なら炒める・揚げる。火なら焼く。その調理器具は種々あり、適した調理方法を姑から受継ぎ、工夫を加えて伝えていく。
料理はマネジメントサイクル
料理は一般に、目的(宴会用・家庭用・来客用他)により、誰にどんな料理を出すか考えます。その食材、調理方法・調理器具等は・・・。調理時間や進める段取り等まで事前に考えます。実際に調理にとりかかると、途中で味見をします。足りなければ調味料等を加え、完成。
これは、どこかで見た進め方です。そう、計画―実行-検証―改善という仕事に取組むマネジメントサイクルそのもの。料理を作る時、おばあちゃんはこれに関わっているのです。
料理は付加価値の高い仕事
このおばあちゃんたちの関わり方は、一般の仕事と違います。どこが違うか。
計画する時は頭脳。実行時は五感=目(視覚)・耳(聴覚)・鼻(臭覚)、舌(味覚)・手(触覚)を使い、検証(味見)をし、改善(修正)しているのです。
だから若い
おばあちゃんは、料理を通じて、頭脳や五感を使って高度なマネジメントをしているといえます。おばあちゃんの食材を切る手さばきは見事で力強い、味見も適格。
おばあちゃんが若々しいのは、毎日マネジメントサイクルを実践しているからと私は思うのです。(関連記事:Ⅳ(3)②「私の家の料理よ」)
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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