今どき、個人が飲食店を新規出店する場合、何が必要でしょうか(お金以外です)。
当然、店のウリである看板料理の味と価格でしょう。テレビ番組でも頻繁に出てきます。
ただ、持続するには、もう一つ重要なことがあり、誰もが思っていることです。そう、「接客応対」です。もちろん、電話応対もです。
先日、近くに新規出店したワインレストランの席を電話予約しようとした際、その応対に感じたことがありました。
それは、当たり前のことが出来ないと、ワインや料理が美味しくても、客は先細りするということです。
電話で「明日のランチ席を予約したい」と伝えたところ、電話先は「団体客が入っており満席です」と短い機械的で紋切り型のフレーズで終わり。
高い価格ですが、充実した料理やワインを楽しめるのがウリの新規オープン店です。私もふところを確かめながら、思い切って電話をしたのです。
「申し訳ございません、あいにく既に満席となっております。ランチでしたら○○日なら空いておりますが、いかがでしょうか。」または「またのお電話をお待ちしております、ありがとうございました。」くらいの言葉は、自然に出てくると思っていたのですが・・・。
電話先の機械的な応対に(姿が見えないのでなおさら)、しばらくは電話したくないと思う人がいるでしょう(私だけかもしれません)。一度対応を誤ると、潜在的な客は二度と顕在化しないと考えるべきです。
この店は、私が支援しているので、社長にこの応対ではまずいとショートメールしました。 即座に電話があり、「ごもっともです。的確なご指摘、ありがとうございました」とお礼を言われました。
社長は解っているのがわかって、安心しました。
そんな小さいことにこだわらなくても・・・というあなたの声が聞こえてきそうです。
そのとき、㈱幻冬舎社長・見城徹氏の次の言葉を贈ります。
「小さなことにくよくよしろよ」
(関連記事:憂鬱でなければ仕事じゃない)
あらゆる人間関係は細かい情が基礎であり、それをなおざりにして、うまくゆくはずがありません。仕事において、小さなことにくよくよしなければ、相手の心は掴めないのです。私も同感です。
(関連記事:「味は普通なのに繁盛しているうどん屋の秘密」6.5.21『「終着駅は始発駅」のこころは・・・①』)
60歳を過ぎ、人生の第四コーナー(最終80歳と想定)に差しかかっている私は、「思ったことを言わないで変えるきっかけをつくれず、でも嫌われない」よりも、「思ったことを言って変えるきっかけをつくり、でも嫌われる」ほうを選びたくなるのです。
いいかえれば、「歳を取るほど直言する」ということです(歳をとるほど丸くなるとは逆です、変り者ですネ)。人にいろいろ言われても、周りのために思ったことを言う。
なぜそういう気持ちになったのか、若い時は周りを気にして言えなかったのに。それは、スティーブ・ジョブズの次の言葉が歳をとるにつれ心にジワリと効いてきたからです。
「他人の言葉を気にして生きるには、人生は短すぎる」
※ 過去のブログ記事はマーケティング本形式の「農業の売れる仕組みづくり」
https://agri-marketing.jp/masayuki-hasegawa-book-summary/
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この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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