「農業は文化」と実感するとき

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先週、上田市の塩田平にある無言館(館主は窪島誠一郎氏)でイベントを開催しました。

“塩田平の田園風景を紡ぐ”と題した~絵画と食を堪能する夕べ~です。そこでのいくつかのシーンを紹介します。

無言館は、第二次世界大戦で没した画学生の慰霊を掲げて作られた美術館で、全国的に知られた存在。地元の米・大豆・野菜の料理と絵画を結びつけた贅沢な催しでした。

食事の前の対談は、全国的に活躍している料理人・北沢正和さんと著名な館主・窪島誠一郎さん、司会は私。

個性きわだつお二人の掛け合いは、聴く者を魅了しましたが、その話しの中で、食材を提供した若い農業生産者グループ(名称「しおだSUNダイズ」5人)に焦点が当たりました。

塩田平の素晴らしい田園風景は、彼らのような若い力が無いと維持できない。そのおかげで、風景の一部として美術館もこの地に存在し得るとの指摘です。農業者は風景の作り手なのです。

窪島さんの著書に出てくる「ふるさととは、その場所ではなく、時間である」という認識は、その地の風土・文化を歴史的にとらえることであり、自らの記憶が醸(かも)し出す芳醇な価値を見出すことでもあります。

食事会では、地酒・甘酒等も出され、参加者は大満足だったと思います。特に、参加者が大きくざわついたのは、5人の農業生産者達がそろいのユニフォームを着て登場した時でした。

従来の農業者のイメージからはぶっ飛んでいて、「エ~、ホントに農業者なの、暴力団若衆では・・・」と思わせるいかつい風貌のたくましい2人がいて、サプライズでした(いい写真が無いのが残念!)。

多くのパーティーでは、シェフが料理を紹介しますが、生産者まで登場して話すことは稀(まれ)であり、グッと食べたくなります。生産者は作って出荷して代金が入金されれば終わり、ではありません。

消費者の食べる場にいてこそ、その食材が輝くのです。
この会が盛り上がったと思う最大の理由は、当日の参加者がそれぞれの業界でクリエイティブな方たちだったことです。

まさしく、参加者それぞれがその道の「プロデューサー(生産者)」だったのです。
そして、まさしく「アグリカルチャー」を実感したひとときでした。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員。中小企業診断士。
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