哀愁の鉄腕アトム

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8月26日(日)に、軽井沢で「ジャズライブと詩の朗読を聴く会」がありました。
軽井沢の森の中にある素敵な会場「軽井沢朗読館」に妻と参加しました。

そこで、感激し、感じたことをあなたに伝えます。
結論を先に言えば、シンプルに「つくった人の凄さに感動した」ということです。

日本を代表する高名な詩人・サックス奏者・ジャズピアニスト・朗読家が会したセッションで、大大大満足、贅沢なひと時でした。

サックス奏者は演奏はもちろん、そのうたは大地からエネルギーを吸い上げ吐き出すパワーで聴き手の魂をゆさぶりました。73歳の今も修行の身とのこと。上手いを超えています。

詩人本人の朗読は、今回初めて聴きましたが、86歳の唯一無二の本物がここにいると確信するものでした。

朗読家の読んだ詩も心に沁みましたが、彼女は詩がひとつの人格ないし宇宙を持っていて、詩の方から「これはこう読め」と規定してくる、といいます。なるほど、達人の言葉ですね。

時間をオーバーし、参加者全員が感動して終了したのですが、私がなんといっても最大の喜びだったのは、アンコール曲でした。

曲名は・・・「鉄腕アトム」

中年以上の国民なら誰でも知っている曲ですね。詩人がこの曲の作詞者であることは知っていましたが、本人が歌うとは全くのサプライズでした。

私は小学生時代、音楽の時間に笛で演奏した記憶があり、50年以上たった今でも(確かハ長調だったと思いますが)

ミミミファファソ ソファソラララシドソ ラソレラソミ ファミレミファソラソ・・・(省略)と最後までそらでいえます(違っていたらゴメンナサイ)。

若い時の私にとって、鉄腕アトムは正義のスーパーロボットヒーロー、科学万能で明るい未来社会の到来をイメージさせる特別な存在でした。
この曲を聞くと元気が出て、貧しい少年の私を大いに励ましてくれました。

しかし、詩人(作詞者)が歌う鉄腕アトムは、サックスとピアノの音色に包まれ何とも言えない哀愁を帯びていて、聴衆の心をわしづかみにしたのです。

1番「心やさし ラララ 科学の子」2番「心正しい ラララ 科学の子」3番「心はずむ ラララ 科学の子」のフレーズは、

東日本大震災による原発事故という決定的な災禍を経験したあと、私たちに科学万能の行きつく先のむなしさを想起させるのです。

手塚治虫の長女がこう語っています。
「幸福のためにある科学技術が、人のエゴや欲で歪められてしまう。アトムはいつもそのはざまで悩んでいるんです」

困難な時代に直面する私たちは、支えてくれるロボット・アトムに何を語ることができるのでしょうか。詩人のうたを反すうしつつ、考えていこうと思います。

それにしても、作詞者が歌う機会はめったになく、魂に直接響きました。シンプルに「つくった人の凄さに感動した」のです。

・・・最後に、このセッションの素晴らしいメンバーを紹介しましょう!

サックス奏者・坂田明! ジャズピアニスト・谷川賢作! 朗読家・青木裕子! 

そして、詩人の・・・谷川俊太郎


※ 過去のブログ記事はマーケティング本形式の「農業の売れる仕組みづくり」
https://agri-marketing.jp/masayuki-hasegawa-book-summary/
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この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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