仕事をしている上田市でジビエ(鹿肉)料理の普及のため、調理・試食会を行いました。
講師は、県認定「信州ジビエマイスター」の素敵なabout seventyの女性お二人。
さすが年季が入っていて、参加者に調理をテキパキと指導し、試食タイム。作ったメニューは3品。そのうち、2品を紹介します。
【鹿山椒煮のちらし寿司】
今回一番注目していたメニューがちらし寿司。はたして鹿肉が合うのか?
しかし、思っていた以上に、そぼろにすると食べ易く、酢飯と合い、子供が喜んで食べそうな料理でした。皆さんにも食べてほしいです。
【鹿のローストサラダ】
鹿肉とサラダというメニューは、さてどんな野菜を添えて食べるのか。まさか、すぐりや桑の実が添えられているとは・・・。
食してみると、鹿の山椒煮に桑の実・すぐりの甘酸っぱさがマッチして、食感も独特でとっても美味。参加者に好評でした。
鹿肉の山椒煮に合わせたのは、熟すと甘くなる赤紫色のすぐりで、その甘酸っぱさと鹿肉の山椒の匂いとがよく調和するのです。
そこで、鹿肉の味付けに山椒を選んだわけを聞きました。山椒と言えば誰でも「うなぎ」にふりかける香辛料が思い浮かぶでしょう。
料理経験が豊富な彼女たちなので、「調味料をいろいろ試してみた結果、山椒が一番合う」という返事を予想していました。
しかし、返ってきた答えは意外でした(皆さんはどんな返事を予想しますか)。
「庭に山椒の実が余るほどなっているので、使ったのよ!」
「エー、そうなんですか」とポカンとしてしまいました。
貴重な食材ならわかるのですが、庭にはえている野生の山椒の木の実をとって乾燥させ調味料にする。それも放ったらかしにしているもの。
確かに山椒はいい匂いで鹿肉の臭み消しにもってこいですが、「手に入るまわりのものを活かす」発想が新鮮でした。
彼女たちが試食の最後に言った言葉は・・・
「サラダのすぐりや桑の実もすぐ手に入る地元のもの。それらを活かしてこそ、そこにしかない美味しい料理ができます」
あなたの地の周りにあるものを料理に使ってこそ、豊かな食と言えるのです。
余った料理はタッパーに入れて家に持ち帰り、彼女たちの言葉を添えて妻と食しましたが、どういうわけか妻から返ってきた言葉は・・・
「我が家の庭にもいろいろあるから、今日習ったように料理を作って私に食べさせて」
私は・・・現実の厳しさに・・「男は黙って苦笑い」。
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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