「うえだ発酵四姉妹」③「トークショー本番編」

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本番の打合せは1時間前。あくまでアバウトに流れを確認するだけで、手順を詰め過ぎず自由度を残しておくのが私のやり方。モットーは「現場で短時間に集中して考える!」
なぜか。

観客の入り具合や客層、当日の天候や競合するイベント等の状況で対応が違ってくるからです。観客に一番響く言葉・やり方をぎりぎりまでその場で考えます。

当然、ぱらぱらの観客と満員の観客とでは物言いや目配せは違ってきます。会場や舞台の広さ、声の反響、観客席の配列などは重要で現場に行かないとわかりません。

往々にして見受けられるのは、お客がどう思うかとは関係なく、事前に言葉や手順を暗記し、つつがなく行えばいい、という姿勢です。

ミスマッチの雰囲気になっても気にせず、今日はお客の反応がいまいちだったなどと言っているのです(私は、地元で寄席を20年以上主宰し司会をしていますので、場数は踏んでいると思っています)。

四人とは、年齢順に長女、次女、三女、四女として主な想定質問事項のみ打合せ。四者の商品説明は私がつくり、あらかじめ入場者に配布しておく。

さらに、写真を撮る記録担当者が重要です。後で発信するのに、どういうシーンが効果的かわかっている人にお願いしたい。

今回は、いつも一緒に情報を共有し、美味しいお酒も飲んでいる素敵な女性の家庭料理研究家(王鷲美穂さん)に頼みました。壇上の四人は写真を撮る彼女を見て安心し落ち着くことも想定しての選択です。

さて、開始10分前。観客は想定以上の入り具合です。
昨日思いついた「観客の気持ちを幕開けに向け高める方法」を準備。

上田市をアピールするにはどうしても欠かせないもの。それは・・・NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲です。

観客は予告なく流れ始めた聞き覚えのあるこの曲に、否応なく胸が熱くなってきているようです(多分に私の思い込みでしょうが)。

そして、客席を見て急に変更したトークショーの幕開けのしかた。予定では、四人がテレビ「笑点」のように舞台に登場して着席し、私がそれぞれを紹介するスタイルでした。

しかし、四人を長女から一人ひとりコールして登場するスタイルに変えました。こんな感じでコールしました。

それでは、うえだ発酵四姉妹の登場です。拍手でお迎えください。
長女の原商店・甘酒製造責任者・原有紀さ~ん、オッと客席から掛け声がかかりました。贔屓筋(ひいきすじ)の応援団ですね。

次女の岡崎酒造・杜氏・岡崎美都里さ~ん、
三女の武田味噌醸造・みそソムリエ・市川絢子さ~ん、
四女の若林醸造・杜氏・若林真実さ~ん。

素敵な四人の女性の登場で、会場が一気に華やかな雰囲気に変わりました。司会の私は最後に壇上に上がりましたが、ここでもう一つ直前に変えたことがあります。

それは・・・着る予定だったはっぴをやめたことです。四人は仕事着としてはっぴを着てもらいましたが、私も着用すると五人になってしまい四人のユニットへの目線が分散しかねないと感じたからです。私はあくまで黒子役なので、スーツで参加することにしました。

話しのテーマは「発酵のある暮らしの魅力」です。
発酵との関係で、仕事(なぜ関わったのか)、家庭(食事・子育て)、健康(美容)、そして地域づくりなどで、悩んだことや発見したこと、嬉しかったことなど。

四人は私の質問にノーペーパーで応じました。商品の紹介でもペラペラ、さすがです。普段の実力がいかんなく発揮されました。
その中で、一つ紹介するのは、岡崎美都里さんのこんな話です・・・

私「杜氏としての仕事で心がけていることは何ですか」
美都里さん「日本酒造りでは、微生物・酵母が主役です。杜氏はいかに微生物にとって良いベット(環境)を用意できるか、ということを意識しています」

なるほど、会場の皆さんも納得でした。子を持つ母だからこその言葉とも思います(母だからこその酵母)。私のまとめは

発酵から学ぶことは、「微生物との共生、そして地域での共生」
「手仕事職人として守ることと変えていくことで持続」
「競い合いつつ、大きく組んで発信(上田産の酒米「山恵錦」―長野県の新品種を用いて、市内の酒蔵がそれぞれの酒を造る一大プロジェクトスタート)」

以上3回シリーズであなたに伝えましたが、「うえだ発酵四姉妹」のブランド名でふるさと納税返礼品にできないかなど、今後の展開を楽しく考えていきたいと思います。

最後に「発酵のまち上田」を掲げ地域づくりをリードしていく素敵な「うえだ発酵四姉妹」への応援をよろしくお願いいたします。

来年、ご好評につき再度、四姉妹のユニットによる発信イベントを企画します。
事前告知しますので、乞うご期待!(笑)。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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