「農夫と農婦」の思い

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今回は、「農夫と農婦」という少し変わった名前の農家の話しです。

「千曲川ワインバレー広域特区」を形成する8市町村では、それぞれワインイベントを開催していますが、その中でひときわ私の目をひいたのが長和町にある「農夫と農婦」というワイン用ぶどう栽培者の「栽培方法」です。 

ぶどう栽培は、日本では一般に欧州種は垣根仕立て(垣根のように植えられる)、生食用は棚仕立てです(天井のように仕立てられ、多雨からの病気予防に適する)。 品種では、メルローやシャルドネは垣根仕立て、甲州やコンコード・生食用のシャインマスカット等は棚仕立てが向いているといわれます。

ところが、「農夫と農婦」はデザートワイン用のぶどうであるコンコードやシャインマスカットを、一般的な棚仕立てではなく「垣根仕立てでつくっている」と紹介されています。

「エ~」と驚き、そのデザートワインを飲みたいし、畑も見たくなりました。 デザートワインとは、果汁を凍らせたりブドウを干したりして、ブドウが持っている味わいや糖分を濃縮させたワインです。味が濃縮されるのでどれも個性的で、まるでデザートのように豊かな甘みを味わえるワインで女性に人気です。

そこで、扱っている地元の酒屋さんを訪ねると、対応された女性はソムリエでもあり、コンコードと紅玉りんごのデザートワインを2本買いました。帰り際に農家に電話をしてくれて、畑を見せてもらえることになりました。感謝です。

味が濃縮されるのでどれも個性的で、まるでデザートのように豊かな甘みを味わえるワインで女性に人気です。 そこで、扱っている地元の酒屋さんを訪ねると、対応された女性はソムリエでもあり、コンコードと紅玉りんごのデザートワインを2本買いました。帰り際に農家に電話をしてくれて、畑を見せてもらえることになりました。感謝です。

畑は、標高約650mにあり美ヶ原を一望できる絶好のロケーションで、高級ぶどう“ピオーネ”や、 りんご“紅玉”を狩りとりできる観光農園です。もぎたて新鮮なくだものを地方発送もします。

その畑で目にした冬の光景は新鮮でした。幹は寒さ防止用の藁で囲っていますが、これが垣根仕立てのコンコードやシャインマスカットか?としばらくジーと見入っていました。

案内してくれたのは、すがすがしいご夫婦でした。父母が農園を始め、今は4人で一緒に 仕事をしているとのこと。

「農夫と農婦」という独特の名まえは父母の知り合いが付けてくれて、文字に書いてくれたといいます。文字は、すらっとした農夫と少しふくよかな農婦を表現しており、話してくれ た息子さんのサングラス越しの表情が微笑んでいました。

この栽培方法は、隣のマンズワイン小諸ワイナリーの圃場を参考にしたとのことで、雨が降っても病気予防や糖分が薄まることを回避する「レインカット方式」を採用しています。 経験がなかったからこそ、欧州種ではないコンコードやシャインマスカットを垣根仕立てにできたと言います。

いきなり訪れた失礼をお詫びし、お礼を言って二人と別れましたが、シーズンになったら家族でぶどう狩りに来ようと思いました。

夜、いよいよこの濃縮なデザートワインを妻と味わう瞬間がきました。 コンコードと紅玉りんごの冷凍果汁仕立て醸造ワイン2本の味見です(安曇野ワイナリー㈱製造)。 口に含んだ瞬間、今までとは全く違う香りと味にビックリです。

濃くて芳醇。特に コンコードは飲みやすいドリンク感覚が私にはありましたが、冷凍濃縮なデザートワインに触れ、オーバーに言えばワインの幅が広がりました。 決して高品質な欧州種ワインではないからこそ、この地で生まれた ワインに私は誇りを感じます。

お酒は強くない妻は、いただいた「紅玉100%りんごジュース」が濃くて美味しいとご機嫌です。 二世代の「農夫と農婦」に改めて感謝し、個性豊かなこのワインを継続 して生み出してほしいと願います。

今回の行動で「農夫と農婦」とつながりましたが、周りの素敵な方たちにも紹介しようと思います。 あなたは周りにつなげる(紹介する)「誰を知っていますか」。そこでのキーワードはひと言です。

KNOW WHO!

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員(非常勤嘱託・元長野県農政部職員・中小企業診断士)
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