漬物は「混ぜる」にかぎる!

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前回の続き。
今回の「ワインとチーズと漬物」の会食では、
「かぶの甘酢漬にグリエールチーズを巻く」
「わさび茎佃煮をアボガドと和える」
「ぼたんこしょうの刻み味噌漬をクリームチーズと和える」
そして、「白瓜粕漬をアンズに載せる」というその場でできる「混ぜる」即席調理方法。

そもそも、漬物は野菜等を味噌、醤油、糠、酒粕等と混ぜて一定の時間をかけて作ります。そしてできた漬物をチーズ等とさらに混ぜて(添えて)器に盛る。

料理を何種類か口に入れワインを飲みながら食し味わう「口中調味」が、日本人の特徴といわれます。

漬物はご飯やお茶と一緒に食する時、普通、大根漬のたくあんを口に入れご飯を食べます(お茶を飲む)。口の中で混ざります。次に茄子のからし漬を口の中に入れご飯を食べ混ぜます。しかし、漬物は一品づつ口に入れるシンプルな食べ物と思います。

一方、チーズと混ぜ合わせた漬物は、ワインを口に入れるとチーズ・漬物・ワインの発酵3種が口の中で混ざります。なんと日本人的な食べ方でしょう。

漬物にチーズを絡めるという無理のない料理を一緒に口に入れるだけで、今までと違った漬物という存在が立ち上がります。

これは、漬物という日本食とワイン・チーズという西洋食の豊かな出会いであり、敢えていえばワインを日本人に引き寄せた食べ方とも思われます。

また、この混ぜた料理は事前に眼の前で見れ、見た目の色・香等からどんな味や食感か興味をそそられ、楽しくなりませんか。

そう考えると、気の合った仲間が輪になって和やかに飲む日本人の食中酒=ワインをこう表現することも許されるのではないでしょうか。

日本人にとって、ワインは「輪飲」であり「和飲」 であると。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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