バイ・ローカル

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前回(「地産地消とCSA」)の続きです。
そこでのキーワードであるCSAの仕組みを再度挙げておきます。

CSA(コミュニティー支援型農業)とは、小規模生産者と消費者がつながるプラットフォームで、消費者は気に入った生産者や生産団体のCSAに会費を払って入会。

受け渡し日に農場に行くか、消費者に近い教会・公園・企業他の会場で、スーパーの棚のようなケースから自分で選ぶか、あらかじめ入っているボックス等を受け取ります。

私がJAにこの本をテキストとして、新たな販売方法等を議論してほしいと思うのは、大きく3つの理由からです。

こだわり農産物を作り売りたいという意欲的な生産者を確保するため。
オーガニック(化学肥料や農薬を使用しない野菜等)が日本でも注目されつつあり、こだわり野菜を生産する(したい)意欲的な生産者を掘り起してグループ化。

農業担い手が減少するなかで、多様な組合員を結集し生産者を確保します。

今後、JAは独自に売り先を確保する必要があるため。
市場出荷は減少傾向にあり、JAは独自に販売先を確保し、生産者の所得に貢献しなければなりません。

そこで、今こそもっと積極的にJA間でお互いの消費者を満足させる品揃えのためにJA間提携を行うべき。

提携JA(農協間提携)とは、お互いに生産していない品目を販売し合い、生産者はこだわりの農業で提携JAの消費者に向けアピール力があること。

JAはCSAのプラットフォームの役割を果たすべきで、同じ農業協同組合組織としてお互いに生産していない品目を販売し合う等、最適な提携を指向する。

長野県ならば、柑橘類は生産していないので、四国・九州・沖縄等のJAとの提携や、同じ品目を生産していても、出荷時期が異なれば相互に補完は可能。

そして、「何にこだわり他とどう違うのか」が明確な生産者や農産物を主とする。

特に、生産者本人の経歴や哲学、人柄やオーガニック等にこだわる情熱を消費者に知ってもらうことで(パンフレット等で紹介)、消費者の関心と支持を得ることが重要。

以上、輸送コストや販売コスト面からも十分検討したうえだが、思い切って進めてほしい

提携JAの消費者は、「地域資源(農畜水産物他)を積極的に購買することで地域活性化に貢献できる。

一言でいうと・・・「バイ・ローカル」。

JAはCSAの役割を担うことで、改めてローカルの価値(その地域の魅力)を問い直し「バイ・ローカル」の仲介役として生産者と消費者をつなぎ、地域活性化をリードしていく存在とならねばならない!

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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