地元農産物の販売イベントでは、少なからず「賞品が当たる催し」があるでしょう。
お客を呼び込む有効策で、私も市内のイベントで何回か担当しました。
一般的には、「ジャンケン」をやって勝った人が商品をもらいます。
最近、商品獲得ジャンケン大会を進行しましたが、私がふと思ったことをあなたに話します。
ルールは、言わずと知れた3種類の指の出し方(グー・チョキ・パー)で勝負を決めます。
19世紀に日本で考案され、20世紀には日本の海外進出や、漫画・アニメの海外隆盛に伴い世界に拡がりました。
ジャンケンの効用として思いつくのは、
1.偶然性が支配するので、自分の運で道を切り開ける。
2.コストがかからず、どこでもすぐできる。
3.子供も参加でき、大勢で一度に楽しめる。
この日は、イベント会場の隅で行うので、なかなか参加者が集まりません。
そこで大声(私の唯一の長所=声が通る)で、こんな感じで参加を呼びかけました。
「12時5分前ですが、キッカリ始めます。集まっている人は少数で、このままだと当たる確率が高まるので、私にこれ以上集まるよう呼びかけないで、と目で訴えています」
そうするとどうでしょう。みるみる集まってきました(一部の人たちだけにいい思いをさせていいの?と参戦したのでしょうか・・・笑)。
多くが家族での参加です。たまたまこの日は子供たちが勝ち残り、家族を代表して勝負。家族の応援で熱気ムンムン。
勝った子供に母親は耳打ちし、希望の商品をゲット。
家族がみんなで参加し、勝った子供を誇らしく思う親と、親が喜んでくれて嬉しい子供。
たかがジャンケン、でも家族の絆が強く感じられる光景。
見ていて、12年前にインドに行った時の記憶がよみがえりました。
夕暮れの街中をバスで移動中、何家族かがゴミ山(と思われる)でたむろしています。
そして、家族が輪になって食べている光景に目がくぎづけになりました(特殊な場面と思いますが)。
暗くて見えづらかったのですが、みな笑顔で笑い声も一瞬聞こえた気が・・・。
貧しいでしょうが、家族の誰かが見つけた食材をみなで分け合って食べる。
「この家族の食事は幸せそう」に見えました。
「家族ならではの温かいきずなの光景」
そこで思ったことは、日本は経済的に豊かでも、大人も子供も一人で食べる寂しい「孤食」が増加。「家族団らんの楽しい食事」は減る一方。
はたして、どちらが幸せか。
ひるがえって、ジャンケンでの獲得商品は、米5㎏やジュース、野菜、果物などで、手に入るものばかりです。
たぶん、家族で参加して誰かが勝ち、ささやかな戦利品の農産物や食品を一緒に分け合って楽しく食べるのも、「家族ならではの温かいきずなの光景」。
インドの光景から連想したのです。
子供も平等に貢献しあえる親子参加の「ジャンケン大会」。
この青空の先にあるインドを想いつつ、「家族のきずなが少しでも深まれば」と、またジャンケン大会を催します!
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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