「コーヒーカップ」の力

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最近、友人2人とコーヒーを飲む機会がありました。
老舗のコーヒー店で、3人とも別の値段のモノを頼みましたが、最大150円程度の差しかありません。

ところが、運ばれてきたカップを見てびっくり。一人だけダントツの豪華なコーヒーカップ。もちろん3人の中で一番高いのですが、こんなに差をつけるのかとしばし唖然。

どう解釈すべきかと我が頭脳は高速で回転し始めたのですが・・・なかなか自分が納得できる理由が浮かびません。

店員に聞くのもしゃくなので、会話をそっちのけで考え(二人にはごめんなさい!)、一応こんな答えに到りました。

まず、あまりきょろきょろするのはマナーが悪いと思いましたが、確認するに少なくともこのカップは隣の2人のテーブルにはありません。

おそらく、日曜で店内は混んでおり、カップ数に限りがあるので、3人以上の客で別々の注文メニューなら、その中で一番高い方にこのカップを提供して他の方も含めテーブルで楽しんでもらうというストーリー。あまりスッキリはしませんが・・・

確かに、自分が注文したものでなくても、一緒のテーブルに一つあるだけで他の人もリッチな気分になり、心に余裕とゆとりが感じられ楽しくなるのです。

この老舗コーヒー店は、低価格・短時間が売りのコーヒーチェーン店が提供する「つかの間のくつろぎ」の価値とは違い、「時間をかけたくつろぎ&語らい」の価値を提供している、と思ったのです。

正直、不思議なのですが、友人が飲んでいるそのカップを眺めているだけで幸せな気分になれました。
そこから、なにやら違う高級なコーヒーの香りや味も想像できて・・・楽しいのです。

勘定を払って店を出たのですが、今度来た時は素直にマスターに聞いてみようと思いました。

そして、このカップで飲んでみたい!!

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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