テイクアウトでつながる絆

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前回、コロナ禍下、テイクアウトのことについて書きました。続きです。

テイクアウトに取り組んでいるお店を地元の商工会議所等が情報サイトを設け発信支援。しかし、今後に問題もあります。

というのは、飲食店の料理は、家庭料理に無い「差別化」に価値があり、非日常の料理が売りだからです。

それを、家庭で食べるのです。自粛が長期化すると購入頻度はおちるでしょう。
いくら、いろいろ食べ比べても限界があります。

大きな課題ですし、購入のインセンティブを考える必要がありますね!
一方、テイクアウトを利用するにあたって、感動したことがあります。

お店は、自店の自慢料理をコンパクト化か単品化して器に入れ商品化。
あるお店で購入し持ち帰った料理の器に貼られていたメッセージがこれ。


「このたび新型コロナウイルスの感染拡大によりお仕事や生活に影響を受けられていることを心かよりお見舞い申し上げます。 (中略)

また、長谷川様にご来店いただける事を楽しみに笑顔でスタッフ一同心よりお待ちしております。」

購入するお店を選択するわけは、「美味しい」が一番でしょうか。
多分、一番の理由は、「店の方たちと心が通じ合えていて、支えたいから」ではないでしょうか。

家に持ち帰って、あけたら器にこんなメッセージが添えられていたら、出来る限り支援しようと思いませんか。

もう一つ紹介します。
私のブログにたびたび登場する発酵弁当「艶御膳」。

おうち料理研究家・王鷲美穂さんが関わっている酒蔵や味噌蔵の酒粕・甘酒・味噌・糀等で調理した料理を詰めたお弁当。

イベントや会議等で一定の数で発注してもらえれば提供するスタイル。
しかし、この環境下、イベントはのきなみ中止で、大きな痛手を受けています。

そこで、せめて私が関わった不発イベントの注文数を何人かに声をかけて取りまとめ発注。王鷲さんには大変喜んでもらいました。

当日、取りに行った際、彼女は笑顔で言いました。「心ばかりのお礼を入れてあります!」と。


家で弁当の包みを取り出すと、最後にそのお礼が出てきて、目頭が熱くなりました。
そこに添えられていたのは・・・「手作りのマスク」。

男性用はダンディー(私を意識したかは?)、女性用はセンスが良く可愛い柄。
購入仲間も「カンゲキシター」の声。

この手作りマスクを20枚ほど作るには、時間がかかったと思います。
購入してくれた皆さんへの彼女の素直な感謝の気持ちが、ジワッ~と深く心にしみました。

そして、直感しました。

人間の見えない暖かい絆こそが、ウイルスを鎮静化させられる」と。



この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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