コロナ時代の自治体「農産物マーケティング」(1)

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【自治体の農産物マーケティングとは】   
上田市は、農産物マーケティング推進室を設置して4年目を迎えます。
年度初めにあたり、人事異動もあったことから、室職員全員で確認したことがあります。

「市の農産物マーケティング業務」の定義についてです。
私は室の設置当初から関わっていますが、コロナ禍の今、「市の農産物マーケティング業務」として何をすべきか、改めて定義を明確化する必要があると思ったのです。

その定義とは・・・「農と食をつなぎ顧客を生み出す活動」の支援

そこで取り組んでいるマーケティング業務の一例を紹介します。

【事例】
姉妹友好都市の東京都N区職員の皆様向けに、上田市産の「農産物セット」(直売所扱い中心)と「五蔵飲み比べセット」の斡旋販売です。
扱い量に限界があるため、区職員様向けとなりました。

この斡旋販売は、上田市とN区双方にメリットが考えられます。

N区職員は、スーパー等へ買い物に行く回数・時間の減少で過密の減少・回避と安全な農産物を購入できる。

上田市の直売所は、自粛による売り上げ低迷のフォローになること。
セット商品は、特別価格10,500円。

米・そば・キノコ・レタス・ズッキーニ・アスパラ他、加工品はリンゴジュース・ハックルベリージャム・はちみつ・みそ・地鶏ソーセージ他。

飲み比べ5本セットは限定数で、特別価格10,000円。市内5蔵が同じ田んぼで作った酒米をそれぞれが醸した日本酒。希少価値の逸品。

生産者が出荷している直売所や扱っている酒店とN区職員をつなげ、購入してもらうことで顧客を生み出していく。

そのつなぎ役は、両自治体の長年にわたる交流の歴史があります。

いざという時に、パブリックの自治体同士が結び付き、農(畜産物)と食(事)をつなげることで顧客を創る活動=「農業マーケティング」の機能発揮が求められると思います。

【不安なコロナ時代の緩やかな共同体圏形成】
それにより、地理的には離れていても、心情的には近いなじみの存在。
そう、「緩やかな共同体圏」を形成できるのではないか。「心情的に」という心が欲することが大切と思います。

農村共同体が衰退していく中、都内住民が上田市でのスキー教室他の体験やふれあいを通じて、台風等災害時には助け合い、互いに生きていく価値観を磨きあえればと。

目に見えない不安なコロナの時代だからこそ、農村と首都圏が自治体のマーケティングでつながり、安心な農と食による「共同体づくり」を目指していければ素敵ですね

斡旋は始まったばかりで、セットの販売価格はけっして安くありませんが、スタートは好調です。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員(非常勤嘱託・元長野県農政部職員・中小企業診断士)
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