コロナ禍は、市内直売所にどんな影響を及ぼしているのか。
今年3月~5月(3ヶ月間)の売上高を9直売所に聞いた。
かなりはっきりした傾向が読み取れる。
総じて好調なのは、店舗内にあるインショップ型の直売所だ(下図A,C)。
それに比べて、観光客購買のウェートが高い直売所(下図B,D,E)は、観光客激減の影響をもろに受け苦戦。
そんな中、地域に支持されている市内では中規模の単独型直売所(下図F)が好調である。

売上高昨年比率アップが顕著(130%)のF直売所を訪ね、昨年から関わっているというNアドバイザーに話をお聞きした。
【Nアドバイザーという方】
Nさんは、地元スーパーに永らく勤務したベテラン。
退職後は、生産者としてこの直売所にブルーベリー等を出しており、それなりに売り上げていた。お歳はなんと80歳。
直売所役員に頼まれて、現状を打破する目的で関わったとのこと。
話していて、実直で熱い方だ。
彼が直売所に来てみて、まず感じたことは・・・
「お客様は午前中はいっぱいいるが、午後はガラガラ。品物が空っぽなのはいたたまれない」
「地区外からも仕入れてもらい、夕方まで品物がある状況を作りたい」
「半分くらい、スーパー的な要素を取り入れてほしい」と直言!
【仕入れについて】
この地域にあるものは、地域内消費量に限度があるし、生産者も午後補充は厳しい面がある。
この地に無いものを仕入れて欲しいと要望。
そこで、この直売所役員(女性)の人脈が活きる。
県農村生活マイスター協会会長だった時のつながりで、次々に他地域の直売所からの仕入れが実現。
木曽のほう葉巻き、山形村や松代産のナガイモなどを仕入れ販売。
また、地域内の仲卸からもまとまった量のミカン等を仕入れ顧客に提供。ともに好評を博す。
【売上アップを図る基本的な考え方と対応】
Nアドバイザーの話をお聞きし、私が思った直売所好調の要因は5つ。
①直売所は薄利多売
②顧客との対話重視
③自信を持って商品を売る
④目標は必達を期す
⑤スーパーに無い賑やかさを演出
この解説は次回に・・・
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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