JAよ、もっと前に!

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太一さんは、最近市内で気になっている店がある。

【気になるのれん】
何しろ、のれんが気になるのだ。日の丸か!
「右」側を好む方が経営しているかも・・・と視線を向けず素通りしていた。

あるとき、それとなくガラス窓から中をのぞくと、シャレタ雰囲気で若い女性(マスク姿だが多分)が接客している。意外だ。

のれんをよく見ると、「なるほど、そ~か!」と合点。
赤い大きな丸は日の丸ではなく、「リンゴ」なのだ。右下に青緑色の葉っぱがあるではないか。

そして、「信州アップルパイ研究所」と書いてある。抵抗なくのれんをくぐった。

ハキハキした若い女性が応対してくれる。当店はアップルパイの専門店なのだ。

【独特の店舗内雰囲気】
リンゴの品種は、今日は「サンふじ」と「王林」。
ほかに、ブルーベリーとクリームチーズのアップルパイ。

サイズは、2インチ、3インチ、6インチ、12インチの4区分。1インチは2.5㎝。
王林とブルーベリーを各2インチにカットしてもらい購入。

それにしても店内はスッキリしている。
コンクリートの壁面にリンゴの成分の分子構造式が描かれ、アップル印が所々にプロットされている。なかなかデザイン的にグッドだ。

アップル型クッションに座ってできあがるのを待つのも楽しい。ゆったりとしてインパクトのある店舗づくり。

アップルパイを豊かなデザイン空間で買うという「非日常的な幸せ」を提供したいのだろう。

太一さんは家に帰って、持ち帰ったパンフを見つつ食したが、アップルパイはスライスした生のリンゴをパイ生地にのせて焼き上げるスタイル。シンプルだが美味しい。
特に、ブルーベリーのアップルパイがジャストミートだ。

パンフには、なぜ美味しいのか、どこにこだわっているのか等が簡潔に書いてある。
さらにネットで調べると、お店は地元の菓子メーカーが昨年秋にオープンしたとのこと。

【リンゴを主に提供しているのは・・・】
そこで、太一さんは勤務先のJAで聞いたことを思い出した。
市内でオープンしたアップルパイ専門店に、JAがリンゴやブルーベリーを供給していることを。この店だったのだ。

撮った写真をよく見ると、サンふじのディスプレイにJA名が小さいながら明記されている。よし、この店を応援しよう。

まずは、日頃からJAを応援してくれているHさんに紹介しよう。彼は常々、JAは地域の連結ピンであるべき、もっと地域住民の要になるべきと語っている。

彼はこの店を知って、多分こんな反応を示すのではないか・・・

【予想されるHさんの反応】
「JAはこの地域で美味しい安全なリンゴやブルーベリーを一定量提供できる貴重な存在であることを加工・販売先にアピールし、商品説明文にJA名を明記して欲しいと交渉すべき」

「生産者(組合員)は消費者としてお店でアップルパイを買い食し、作り手としての自信と誇りを感じて欲しい。
それには、JAがもっと地元事業者とつながり、消費者の前に出なければ認知されない」

程なく、太一さんはHさんと久しぶりに会うことになった。事前にメールでお店の様子は伝えてある。

果たしてHさんはどんな反応をするのか。
太一さんはこちらに歩いてくる彼に気づき、声をかけた。

「お久しぶりです、長谷川さん!」

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川 正之
アグリフード(風土)アドバイザー

長野県の農産物統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を創設し中心となって推進。また信州6次産業化推進協議会副事務局長として、地域6次産業化を主導。H28年3月をもって任期満了し、地域創生を支援するアグリフード(風土)アドバイザー業務を開始する。長野県内で幅広いネットワークを持つ。現上田市農政課職員(非常勤嘱託・元長野県農政部職員・中小企業診断士)
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