先日、上田市の隣の東御市にあるヴィラデストワイナリーを訪問。
ワイナリーオーナー&画家&エッセイストの玉村豊男さんと久しぶりに行き会い、コロナの時代の諸々について自由に語りあった。
話しの中で、「セルフガイド」ツアーということばに興味をひかれた。
近年、ワイン観光として、鉄道とバスを接続させ、タクシーも利用しワイナリーを巡る「ワインツーリズム」が脚光を浴びつつある。
しかし、コロナ禍で客足はサッパリ、見通しは大きく狂ってしまった。
そんな中、玉村さんが取組んでいるのは、個人客に焦点を当て、歩いても、クルマでも、いつでも、ひとりでも楽しめる、新しい時代にふさわしい非接触「セルフガイド」ツアー。
【「セルフガイド」ツアー】
ヴィラデストでは、カフェ&レストラン、ガーデン、ぶどう畑の3カ所にQRコードを掲示している(室内にも2カ所)。
スマホで読み取ると、その場所を案内する動画が見れる。
玉村さんと別れ、帰りがけに試しにやってみる。
玉村さんの解説が視聴でき、ワインを飲みながらなら、さらにベリーグッドだ。
雨の日でもワインを楽しめる開閉式テントを新設したとのことで、期待大。
「セルフガイド」ツアーとは、ウィキペディアによれば、ツアーガイドが案内するエスコートツアーとは対照的に、自分自身で行程をナビゲートする新しい個人旅行のスタイル。
ヨーロッパの多くの観光名所には、セルフガイドツアーで見たり行ったりするための提案、地図、指示、およびアイテムが用意されているという。
しかし、日本はこれからだ。
玉村さんの解説で、ヴィラデスト設立時の思いや、この地域の歴史、ブドウ畑のこと等を、風を感じながら堪能できれば満足すること間違いない。
【田沢ワイン村】
そして、近隣の旧跡や他のワイナリーを含めて発信している「田沢ワイン村」には、計6カ所にQRコードが掲示されている。
専門の語り手の個性も出ていて、充分楽しめる。なにしろ、自分のペースで回れるのがいいし、この地域全体の魅力を感じることができる。
気の合う少人数で巡りたい。その集積で交流人口が増えていけばと願う。
【スローライフとの関連性】
コロナの時代だからこそ、注目されつつある非接触「セルフガイド」ツアー。
私は、「スローライフ」の流れとつながると思うのだ。
効率やスピードを重視するのではなく、のんびりと過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようとするライフスタイル。
立ち止まりながら、スマホ片手に風のように上質な情報=セルフガイドに触れ、仲間とワインを飲みながら語り合う。
「スロー」は自由を担保し、語り合うことで思考を深める。
共同体の復権を念頭に置きつつ、「スロー」をキーワードに次の飛躍へつなげたい!
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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