昨日の上田市のお天気は、雨の心配をよそに、田植え日和。
五月の心地よい風がふき、気温は昼にかけ上昇、日差しが眩しい。
上田市内にあるここ稲倉の棚田は、標高640m〜900m、30haに780枚ほどの棚田が連なる。
持続可能な棚田の保全は、棚田オーナー制度を設け、首都圏から賛同者を募り連携していくことが不可欠。
昨年はコロナ禍で「お田植え祭り」は中止したが、今年は感染対策をしつつ、限定的な人数で実施した。
稲倉の棚田保全委員会は、今年の「お田植え祭り」として、「早乙女」を前面に出して雰囲気を盛り上げた。衣装も一定数を揃えた。
早乙女(さおとめ)とは、もともと稲の苗を植える女性を指す言葉。
「さ」とは田の神様を意味し、田植えに使う苗を「早苗」、植える女性を「早乙女」、ついでにいえば、田植えをする男性は「早男」(さおとこ)。
田植え姿の女性陣がずらりと田んぼに揃うと、良い緊張感に包まれる。
早苗は喜んで田に植えられていく。
動作が揃うときれいだ。田植歌も皆で歌ったらもっと楽しく豊かになるだろう。
古来、そんなふうに田植えをし、稲を育ててきたのだ。
初めて会う人たちでも同じ空間で同じ動作をすることで心がつながっていく。
コロナで分断されている人間に一番大切なことではないか。
参加の中で、家族連れが目に付く。
コロナ時代、「親は子供に思いっきりフレッシュな空気を吸ってほしい、どろんこになって自然と交わって欲しい、それが何よりのプレゼント」と思っているからだろう。
子どもたちの身体がこの瞬間を記憶し、未来の人生に役立てばと私は願う(この子の腰の構えがいい)。
田植え終了後、お弁当を食べ、イベントを鑑賞。
地元小学生の歌や、澄み切った声のアカペラの披露もあり、和やかな棚田の一日は、秋の実りを祈念しつつ、無事終えたのである。
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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