前々回のブログに書いた-「村山槐多パフェ」7月から登場!-は、少し反響を呼んだ。
どういうわけか、ある情報発信サイトの目に留まり、ささやかながら全国に向けて発信されたのだ。少しずつでも注目されれば・・・。
7月3日(土)、そのパフェが初披露となった。そのことを書く。
題して-「村山槐多パフェ」の真実-
【残照館&豆カフェのコラボ企画が実現!】
お店の「豆カフェenjyu」で料理の作り手は女性2人。
お店併設の美術館・残照館(旧信濃デッサン館)館主は窪島誠一郎さん。無言館館主でもある。
併設して営み始めて2期目。3人は普段のやり取りから、コラボスイーツの企画を思いつく。
窪島さんはこんな感じで言ったという。
「残照館にちなんだ人物の言葉や絵からスイーツのタイトルをつけよう」
「その人物の説明は僕が書くね」。
【「五月の風のゼリー」誕生】
お店のスイーツ担当の作り手は、残照館に展示している夭折の詩人・立原道造(享年24歳)が見舞いに来た友人に言った言葉
「五月の風をゼリーにして持ってきてください」
を知り、前から気になっていた。どんな味のゼリーなのだろうと。
そんな時、この企画の話が出て、立原道造をヒントに「5月の風のゼリー」が生まれたという。
窪島さんに試食してもらいながら、試作すること20回ほど。
少し前に開発しお店に出され、好評につき定番のメニューに採用。
窪島さん自身が作成した紹介カードと共に誕生したのがこのゼリーだ。
薄緑に淡い黄色が重なり、若くして逝った詩人で建築家の立原道造の求めた「美」が偲ばれる味と色調。
食した私の感想は記さない。あなたが食べてみて、周りの人たちに自ら表現して欲しい。
【一本のガランス】
「村山槐多パフェ」とは、彼の絵画の特徴であるガランス(深紅色)をモチーフにしたパフェを指す。
タイトルは「一本のガランス」。
グラスにチョコレートやアイスクリーム他を重層的に盛り付け、彼の炎のような命をガランスで表現しソースとして用いる。
私が深紅色のソースを上から流すと、キャンバスに描かれたような模様となり、眺めながらスプーンですくい取って口に入れる。
なんとも言えない「命が躍る」心持ち。
窪島さんが紹介カードで「とびきりロックなパフェ」と表現しているのがうなずける。
何しろ、窪島さんは試食を繰り返し、37回目にOKを出したという。
その思いを込めてのカードのフレーズなのだ!
少し高価かもしれないが、私が思うこの真実を知って食べてもらえれば・・・。
【今、「一本のガランス」を食べる意味】
今、村山槐多を身近に感じることは、大きな意味があると私は考える。
なぜなら、槐多は1919年(大正8年)、大流行していたインフルエンザ(流行性感冒)・スペイン風邪にかかり息を引き取ったのだ(結核性肺炎を患ってはいたが)。
コロナの時代がこれからも続くとき、私たちは、内なる魂と向き合うことを忘れてはいないか。
自粛が自縮になり、魂を喪失していないか。自らに問わねばならない。
そんなとき、豆カフェenjyuで、パフェ「一本のガランス」を食し、深紅色の炎の槐多の命・魂に触れてみないか、と誘いたい。
一方で、そのガランスは「自然が持つ癒やし」も併せ持つものだ。明日を健康に生きる力も与えてくれる。
なぜそう思うのか。パフェの作り手が何気なく話したひとことで、そう確信したのである。
「実は、ガランス(深紅色)のソースは、すぐ下の畑で無農薬で作っているラズベリーを使っているんです」
この記事を書いた人

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長谷川戦略マーケティング研究所所長
1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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