自治体は連携しつつ汗をかく!

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いよいよ、新型コロナウィルス感染の勢いが全国的に増してきた。

自治体として、打てる手をしっかり考え、迅速に実行することだ。 

私が勤める農産物マーケティング推進室では、「市内直売所への支援策」として、お盆前にこんな取り組みを行った。 

【姉妹都市職員への注文販売】
上田市の友好姉妹都市のなかで、とりわけ親しくお付き合いさせていただいている東京都N区と連携した取り組み

昨年、コロナ禍の5月、N区役所職員の皆様限定で「信州上田なないろ農産物」セットを注文販売した。

この取り組みは、マーケティング推進室が市内各直売所から農産物を調達し箱詰めして、輸送業者経由で購入職員の自宅に直接届ける、というもの。

生産者-直売所―農産物マーケティング推進室―輸送業者―N区役所―購入職員という関係者ルートである。

マーケティング推進室は、直売所から買い上げて支援。

さらに箱詰め時に、届けたい上田市の農産物他の情報(パンフ等)を入れて送り上田市をより知ってもらう。

N区役所は、職員にスーパー等では手に入りにくい新鮮な野菜や高付加価値の加工食品を提供できる。

加えて、コロナ禍のなか、職員の買い物による外出機会の減少に寄与できる。

これは、自治体同士の信頼関係があって、初めて成り立つ仕組みである。

【今年の商品は何が変わったのか】
昨年と変わった点は主に3つ。

(1)お手軽セットを追加
昨年実施後、要望が少なからずあり、1万円セットの他に、新たに「お手軽セット・5,000円」を加えた。

(2)商品構成を変える
①実施時期が違うので(昨年は5月、今年は8月初旬)、野菜の種類が異なる

昨年は、レタス・ズッキーニ・アスパラ・ニンニク
今年は、レタス・モロコシ・きゅうり・大玉トマト・インゲンOR丸ナス

②今年は2セットなので、主に加工品で差別化
お手軽セット5,000円の品揃えは、上記の野菜やキノコ類のほか、生そば・リンゴジュース・米味噌。

10,000円セットは、そこに追加して、米・ソーセージ(鹿肉OR鶏肉)・黒ニンニク・乾燥きくらげ・はちみつ(あかしやORリンゴの花粉)ほか

結果的には、10,000円セットの購入数がしっかりあり、安堵。

(3)クール宅急便を利用
夏なので、野菜の鮮度維持を最優先。

特に、菅平高原のレタスは都民には貴重品であり、高原の涼しさを一緒に届けたいとの思いから決断。

実際、届いた時点で鮮度は維持されており、好評を博す。

【結果は?】
注文数は、前年並みを確保。昨年注文し、再度注文した方が少なからずおられて、心強い。

なんと、区長さんからも注文があり、有り難いかぎり。

メールで食べた感想も寄せられ、美味しく食べ来年も楽しみにしているとの言葉は嬉しい。

【行政で事業を迅速にできたわけ】
この事業は、生産者-直売所―マーケティング推進室―輸送業者―N区役所―購入職員という関係者で遂行した。

迅速に出来たわけは、私が思うに・・・

マーケティング推進室の担当職員の資質によるところが大きい。

【担当職員の資質とは】
上田市は地元のJA信州うえだと職員派遣交流を行っている

担当職員は、JAからの派遣職員で、前の業務では東京都O区と給食用の野菜果実等を注文・とりまとめ・配送をしていた経験があり、スムーズな事業遂行に役立っている。

2セットの品揃えは、経験者でないと難しい
関係者間の調整も、勘どころがわかっているので早い。

【今後の新たな展開の可能性】
N区役所職員の顧客は、リピーターが期待できそうだ。

そして、新たな展開につながりそうな動きがある。それは・・・

一人で2セットを注文した方が何人か出てきたことである。

送り先は別の住所・氏名。多分、親戚か親しい友人にギフト(お中元等)用で送ったのではないかと推測する。

昨年、信州上田なないろ農産物セットを食べ、美味しかったのでギフト用に利用しようと注文してくれたのではないか。

美味しいものは、拡散する・・・。

これも、もとはといえば、上田市とN区との友好姉妹都市の絆がきっかけとなっている。

地域がコロナ禍の危機を乗り越えられるよう、自治体はさらに知恵と汗をかいていきたい!

この記事を書いた人

長谷川 正之
アグリフードビジネスアドバイザー

□1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、長男としての責任を感じ故郷・長野県の農林系金融機関に就職。在職中は、融資や資金証券運用業務ほかに携わる一方、企画業務では「中小企業診断士」の資格を活かし経営戦略(経営理念の策定含め)を立案し事業展開を図る。54歳時に、「上司の顔より真理の顔を」という言葉に出会い、「ソロで力量を磨き、パーティーを組んで更に高い目標に挑戦していく!」意識を自覚。思い切って選択定年で退職。
□55歳で一念発起し、政策研究大学院大学政策研究科まちづくりプログラム(修士課程)に学び、ダントツの高齢者ではあったが無事「公共政策修士」を取得。 
□56歳で長野県庁の民間登用試験を受け、任期付職員として採用(課長級:農政部農産物マーケティング室企画幹)。県農畜産物の統一ブランド「おいしい信州ふーど(風土)」を玉村豊男氏と共に創設し普及。6次産業化推進や「信州ワインバレー構想」策定等にも関わり、任期満了につき退職。
□61歳で上田市農林部農産物マーケティング推進室・専門員に採用。「発酵で輝く上田のまちづくり」を提唱し、民間の「信州上田・発酵の女学校」等の設立を支援。上田市の統一ブランド「信州上田なないろ農産物」を創設し、地産地消を強力に推進。講演では「尊農上位論」を熱く説く。現在、ながの農協非常勤監事も務める。
□地域活動として、地元小学校PTA会長、さらに当時の小学校連続殺傷事件発生に際し地域で自主防衛すべく歴代PTA正副会長会(ビーナス会)を組織し現在会長。「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に実践中。春・夏休みには、町内児童館で本の読み聞かせを楽しく行っている。
1995年阪神淡路大震災時には、友人の落語家や中学同級生たちといち早く復興支援寄席を開催。以降、高齢者福祉につながればと坂城寄席を継続開催中(現在休演)。地区の自治活動にも積極的に関わり、来年は区長を担う。コロナ禍や自然災害多発のなか、自治会(区会)が自治体(町行政)を構成する確かな「共同体」の仕組みを作りたいと意欲を持つ。
今後、「中小企業診断士」「公共政策修士」の知識・経験を活かし、さらに地域に貢献したいと前を見すえる。紆余曲折の人生のなかで培った多彩な人脈が自らの強み。
□趣味は落語鑑賞。好きな言葉として 「上に立つより前に立つ」 「スピードが感動を呼ぶ!」「笑いで輪(和)来!」「他人の言葉を気にして生きるには人生は短すぎる!」。
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