恩師に教わったこと(下)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

私にとって二人目の恩師について書く。

前回の戸田先生の命日が先月、そして水出さんという恩師の命日が今月であり、続けてお墓参りに行ってきた。

水出さんは、学校の先生ではない
恩師というと学校で教えてもらった先生を多くの人がイメージするだろう。

しかし、水出さんは違う。

前に勤めていた組織の先輩で、12歳年上である。お亡くなりになったのは、12年前で67歳。

まだまだ生きていて欲しかった。

就職して4年目に出会ったのだが、一見して小柄ながら眼光が鋭く、ただ者ではない雰囲気を醸し出していた。

しかし、私とは干支が同じで未(ひつじ)年、3人兄弟の真ん中の男一人なのも同じ。おまけに血液型も一緒ときている。

どうしても身近に感じてしまうのだ。それは水出さんも同じだったと思う(たぶん)。

普段の性格は、ザックバランで気さく、語り口は軽妙、相手を緊張させずにとりこにする。

そこで、私も親しく夜昼となく(オッと、昼夜。仕事優先だったので・・笑)接することに。

そして、仲人までお願いしてしまうのだ(私の後、何人もの若手職員が仲人になってもらっている)。

そんな親しいお付き合いの中で、私は何といっても水出さんのある口癖を耳にして以来40年ほど経つが、ズーとその影響を受けて生きてきたように思う。知らず知らずのうちに。

水出さんの口癖とは・・・
彼が若い職員と昼夜を問わず話すとき、口癖のように発していたあるフレーズとは・・・

「二十歳(はたち)過ぎたらみな平等!」

歳や肩書きは関係ない、二十歳を過ぎたらみな大人、対等に話そう!というスタンスを堅持され、若い人との付き合いを大切にされていた。

もちろん、理詰めで持論をしっかり展開し仲間を巻き込み方向付けるのも大きな魅力であった。

だから、彼がいる飲み会は若い人が多く集まったし、みな年齢を超えて議論をしこの上なく楽しい時間を過ごした。
私の周りにそんな先輩は他にいなかった。

また、もう一つの口癖は「肩書きは外に向かって責任を取るためにある」。

勤務終了後も、名刺の肩書きを背負って飲む人たちが少なからずいる。そんな人たちと飲むなんてまっぴらごめん、という人だった(今の私も全く同じ)。

【私も若い仲間といるのが好き】
水出さんが亡くなられて10年以上経つが、今年私も亡くなられた年齢に達し、考えることがある。

私が外で一緒に飲む方たちは、よく考えるともっぱら自分より若い人たちだ。8割を超えていると思う。

20代から40代の男女が多い、肩書きなど関係なく(このところはコロナで自制しているが)。

彼らから色々な最新情報を得て刺激をもらい、私も経験や考え方を提供する。

お互いにウィンウィンの関係なのだ。緩やかな共同体といってもいい。

これは、水出さんのスタイルを知らず知らずのうちに真似してきた結果と改めて思う。

【水出さんは恩師】
私が多くの若い人たちと自然体でお付き合いし、メールのやりとり等ができているのも、「自然体の自分に自信を持つこと」を教わったからだ。

私が30余年勤めた組織を選択定年し大学院への入学が決まったときも、闘病生活に入られていたが、ことのほか喜んでくれた。

実は数年前に、今は亡き水出さんは「尊敬する先輩(&仲人)というよりも人生の生き方を教えてくれた恩師」であると気づいたのだ。

ただし、恩師ではあるが、「先生」ではなくあくまで自然体の「水出さん」がふさわしいと思う。

何とか私よりも若い世代に「18歳過ぎたらみな平等」を伝えていきたい。

【組織内会報に載った文章】
このブログを書くにあたって、水出さんが書かれた色々な文章を読み返してみた。

最後に、ある会報のコーナー「あなたのご自慢みせて!」での彼の文章を紹介する(イラストの一部も、24年前に発行)。

自然体かつ軽妙でユーモアのある恩師の人柄があなたにもよく伝わると思うので・・・。

「あなたのご自慢を写真で見せて・・・といわれてもダメ!小生の自慢は“お友達”だからであーる。

たとえば“旅先のホテルでお願いしたマッサージのお姉さん”とか、“S劇場の踊り子さん”とか、“某スナックのママさん”とか、

“某ゴルフ場のグリーン上で、この穴を狙いなさい・・・なぁーんてご指導よろしいキャディさん”とかであーる。だから写真はダメ。」

私も恩師のように友達を大切にし、自然体で、軽妙に、かつ情熱的な人間であり続けたいと念じている。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加