「生活就労支援センターで話したこと、その反応」後編

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前回ブログに引き続き、就労支援センターでのお話会・後半の「3つ目の出来事」から記す。

【退職したきっかけとなった出来事】
私は、農協組織に勤めて31年、54歳の時、選択定年で辞めた。

その理由は、仕事の達成感が得られ、中小企業診断士として新たな道を求めたい、という思いがあったことが大きい。

加えて、ある出来事が辞めるという決断を揺るぎないものにしてくれた。その出来事とは・・・

当時、私はある先輩に嫌われ(ていたと思う)、厳しい対応を受けていた。

強烈だったのは、宴席で、私がお酌に行っても手でお猪口を塞いで拒否。
他の人のお酌は喜んで受けるのに。あからさまだった。

今思うと、私は上司にははっきりものを言うし、部下には頼られていて、かつ自由に仕事をしていたように思う(笑)。

私が鬱陶しかったのではないか。

定年まであと6年だったが、ご機嫌を取ってうまくやることはイヤだったし、役員たちとのお付き合いのゴルフも、下手クソで気が進まなかった。

それよりも思い切って辞めた方がスッキリする。
組織では、選択定年第一号となった。

そして思い切って大学院に入り勉強し、その後県庁職員や上田市職員としていろいろな経験をし、ネットワークも広がっている

時がたって気づいた。

あの時、私は「嫌われてお酌を拒まれた上司の彼」のおかげで、辞めることができたのだと。

今では、「かけがえのない方」と感謝している。「お酌を拒まれた過去の出来事」の解釈を変えたのである。「過去は変えられる」
のだ。

【3つの話のまとめ】
意見交換をし、以下のように話をまとめた。

「その時に思ったことと、後になって新たに思うことは違ってくる。この新たな解釈は、突然やってくる。あの出来事はそういう意味だったのかと。

ボーとしていてもやってこない。いろいろな人と会話する、本を読む、自然に触れる(農業等)ことで誘発される。

“過去は変えられる”のだ。その出来事は感謝にかわり、成長したといえるのではないか。

【その他、私が伝えたいこと】
残り時間が少なかったので、私が大切にしている言葉を口速に話した。

〇「雑草のはなし」(ブログ2021.1.24私が人生で学び伝えたいこと)クリック
雑草は強くなど無い。七転び八起きはしない。車に踏み潰されたら、立ち上がらないで移動し、子孫を残すのが、雑草の戦略。

〇「無用の用」
大海で、魚を獲るには大きな網が必要。でも一匹の魚が引っかかるのは3つほどの編み目。

ならば、もっと編み目を持つトンボ捕り用の網で大海をすくっても一匹も獲れやしない。その他の膨大な編み目が必要なのだ。

物事を理解するのも同じ、どこかに引っかかる。無駄なことなど無いのだ。

〇「役立たず」(ブログ2019.3.31「小さな大巨人」)クリック
私は、ジャズ奏者・坂田明さんを地元小学校に招いて、演奏をしてもらったことがあり、そのときのことば。

「100点を取ったことがある人、手を挙げて!みんな100点じゃ嬉しくないだろう。0点の人がいるから嬉しい。だったら、0点の人に感謝しなさい」

「0点の人は、100点の人の役に立っている。自信を持ちなさい。生きているだけで役に立っているんだ!」

この話に、皆さん大きくうなずいていました。

【参加者の感想】
参加者から、その場で感想をカードに書いてもらった。思いがけない言葉もある。

「たった一つでもできることを大切にしたい」「考え方を変えるだけでいいんだと思いました」

「自分の生きたいように生きることを大切にしたい」「すごく感動しました。人生に希望が見えたような気がします」

「長谷川さんの大切にしている言葉は、落ち込んだときなど思い出したいなと思いました」

など、チッポケな私こそ大きな元気をもらい感謝感謝!

【スタッフの方たちのフォロー】
終わって、スタッフによる振り返りミーティングで、こんな話が出された。

今朝、参加予定者から、天気が良くなく体調が悪いので参加できない、との電話があったけど、「みんな待っているよ」と背中を押して出てきてもらったこと。

また、普段から、参加者のいろいろな事情があることを理解して、寄り添ってフォローしていること。

多くの人が今、「生きづらさ」を感じている。

政治では解決しがたいことが多くある今日、「ともに生きるつながり(=緩やかな共同体)づくり)」を目指している東御市社会福祉協議会の関係者の皆さんに、大きなエールを送ります。

【思いがけないスタッフからのメール】
そして、翌日、担当者から参加したあるフタッフからのメールが転送されてきた。その内容に、心が震えた。

「今日はお疲れ様でした。長谷川さんという最高の方にお会いできて心から嬉しく感謝です。長谷川さんとは一度じっくり話しがしたいと思っています。本当にありがとうございました」

即、担当者にそのスタッフとラインでつなげてもらい、ナント今週ランチをすることに。
私より年長の方は久しぶり(笑)、会うのが楽しみ。

【最後にひとこと】
お話会のこんな展開ストーリーなど、予想外のこと!

まさしく、参加者みんなと心を自由にしてスイングし、一つの曲にまとまったジャズ演奏のようなお話会でした!

私より30歳若い担当者で、ソーシャルワーカーの友人・比田井友香さん。

私に人生を振り返り語る貴重な機会を与えてくれて、お礼をいいます。

本当に有り難う。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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