「これは本物ですか?」

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6月はブログをパスしてしまった。

普段、身の回りに起こる事象は、フェイスブック(FB)にちょこちょこアップしているが・・・。

ということは、身の回りの事象から何かを考えまとめ、発信するという作業をサボタージュしていることになる。

「イカンゾ!」と気合いを入れ直し、そういえば直近のFBに気になることが書き込まれていたので、そのことを考えてみたい。

【FBにアップした文】
こんな短文をアップした。
                  
今日の我が庭の“花と蝶”。そ~と近づき、自然の造形に見とれていました。万太郎の10万分の1の気持ちを持って。


そして、ある方からのコメント
「すごく綺麗な蝶ですが、本物?」

エッと驚いたが、普通に返信した。
「本物は、すごく綺麗です!」
                     
※万太郎:NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公

【何が驚いたか】
私がアップした写真の蝶を見て、「本物?」というコメントがあったことです。

ニセモノをアップしてどうする。
私には合成写真など作成する技術も暇もなく、想定外のコメントで驚いた次第。

しかし、画像でしか判断出来ない方にしてみたら、左右対称で綺麗だけど、ホント?となるかも。

【そこで、「本物」を考える】
本物かどうかは、「対象物を実際に見て判断する」のが前提と思う。
その上で、鑑定団のように専門家のお墨付きを仰ぐものもあるだろう。

写真や映像では判断しがたいのは、その通り。SNSではフェイク(にせもの、模造品)が横行しているのが実態であるからだ。

この蝶の場合、「本物?」と言うコメント者は、悪気はないと思う(思いたい)。

左右対称で色彩も豊かで独創性がある。
自然による造形ではたして出来るものだろうか、という驚きを伝えたかったのではないか。

私の回答「本物は、すごく綺麗です」は、自然界の神の差配による領域のもの=本物なので、人間の想像を超える=綺麗であることも多くある、という認識。

【ネット時代の落とし穴】
この花と蝶との出会いは、我が家の庭に咲くマリーゴールドの一群を遠目に何気なく見たとき、「ウッ、何か違う」と直感的に思ったこと。

そこで、スーと近づいたらそこに蝶が戯れていた、というものだ。

出会いは、「偶然と直感」で導かれたSNSやAIではなく、身体での関わりがもたらしてくれたもの。

でも、見る方(受信者)は、私が花と蝶に出会ったその場の「偶然と直感」は、文字化してあってもわからないし了解できない(その場にいなかったのだから)

結果の写真と文章が全てである。

今、小学校以上ではネット学習が盛ん。自分でパソコンに接続し、情報を入手し、終了する。好きなときにネットで情報を得て理解し、一人で学習するスタイル。

果たして、ネット社会で「直感と偶然」は必要ないと無視されていいものか

そして何より、本物(リアル)とネット(映像・写真等)の区別がつかなくなるという恐れ。混乱・錯綜が生じているという。

最後に、こんな事例を聞いたので紹介したい。「ある若者とエッフェル塔」の話である。

ある若者がフランスのエッフェル塔の素晴らしい写真をネットで見て、どうしても見たいとパリに行った。

そして、実際に見て言ったことばは

ウソだ、写真と全然違う、エッフェル塔ではない!

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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