「地方創生とSDGs」(3)大気植民地化②

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前回からの続き。
【海外植民地化と膨大な利益】
・1500年初~1800年初にかけ、南アメリカのアンデス山脈では、1億キログラムの銀が欧州へ運ばれた。

同時期、金も採集され、資本主義の台頭に重要な役割を果たす。欧州産業革命に投資されたのだ。

【海外植民地化で土地と労働力を強奪】
・また、英国産業革命を支える最も重要な商品は綿。綿工業はランカシャーの生命線。

一方、砂糖は工場労働者に安価にカロリーを提供できるが、欧州では育たない。

広大な植民地(ブラジル、西インド、北アメリカ他)が収用され、英国だけで3000万エーカー(東京ドーム約260万個分:東京ドームは約11.5エーカ-)を取り上げている。

・資源採掘、森林伐採、欧州輸出用作物の工業的栽培等は、生態系に大規模なダメージを与えた。

労働力も先住民だけでは足りず、欧州列強による国際的人身売買が行なわれた。
1500年~1800年にかけて1500万人の奴隷にされたアフリカ人が輸送され、労働力を提供させられた。

奴隷貿易は労働力の異常な強奪であったといえる(図はウィキペディアから引用)。

・奴隷をどう集めたかは、例えば、欧州商人がアフリカの強い国に奴隷がほしいともちかけ、その強い国は弱い国に戦争をしかけて、沢山の人を捕虜にした。

そして欧州商人は、奴隷として仕入れたのだ。

・欧州の資本主義と産業革命は、グローバルサウスで奴隷にされた労働者が入植者に奪われた土地で生産したものと、欧州各国の囲い込みでコモンズを略奪された農民が工場で加工した製品に支えられていた。

例示される三角貿易は、アフリカ(奴隷労働、綿布輸入)-アメリカ(綿花等栽培)-英国(綿布加工・輸出)の関係性を構築。
(図は、「『中学校の社会科の授業づくり』地理・歴史・公民のネタ探し」から引用)。

ジェイソンヒッケルは著書『資本主義の次に来る世界』で、「囲い込みは国内の植民地化であり、植民地化は国外での囲い込みであった」と述べている。

・囲い込みや植民地化は、自給自足経済を破壊し、大量の労働者や消費者が衣・食他の必需品を資本家に依存するシステムを作り出した。

人為的希少性
・囲い込みで農村にとどまった人々たちは、互いに競争して生産性を上げるよう駆り立てられた。
土地と農業は利益を中心に計画され、資本家の利益を増やすためのものになった。

この経済至上主義者(ホモ・エコノミクス)は、囲い込みによりもたらさせたともいえる。

競争を強いるこの体制は、生産性を劇的に高めた(1500年~1900年で1エーカー当たり穀物量は4倍に)。

大金で資源を自由に所有できる資本家は、資源を所有して制限し希少状態にする。
利用できない排除された多数の人々は(少ない仕事を安価でする)賃金労働者となった。

そして、豊富な労働力を確保するため(仕事>労働者だと賃金は上昇)、奴隷貿易が盛んにおこなわれたのだ。

・資本主義は、並外れた物質的生産性をもたらしたが、その歴史が絶え間ない希少性の創出を特徴とし、飢餓と貧困化のプロセスにまみれている。

・その土地の豊かさに依存して暮らしていた人たちは、激変した。

土地を奪われ豊かな食べものを希少にされた結果、多くが労働者として働き、安い賃金を得て資本家所有の食物を買い、粗末な住居で暮らすはめに。

飢餓と貧困は持続する。そして利益を得たのは生産手段を所有する資本家だけとなった。

コモンズは資本家に奪われる
私富を増やすには、豊富にある無料のものを利用する権利を人々から奪う必要がある

資本家は資源を所有して、少なくして言い値で買わせる。コモンズの森林や漁業や水も危うくなる。

・資本家による経済活動の総計「DGP」の成長のために、コモンズは奪われているのが実態。

大気コモンズははたしてどうか、次回に続く。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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