「地方創生とSDGs」(3)大気植民地化④

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今回は、「大気コモンズ」について書く。

2023/11/22付-「地方創生とSDGs」(2)排出問題-で、世界のCO2排出量の46%が中国と米国が占めると書いた。
(出典EDMC/エネルギー・経済統計要覧2023年版)。

【現在のCO2排出量だけでいいのか?】
しかし、現在のCO2排出量だけに注目し、これまでに大気中に蓄積したCO2を無視しているのはおかしい

気候崩壊に関して重要なのは後者だ、と「資本主義の次に来る世界」著者ジェイソン・ヒッケルはいう。 私もこの考え方を支持する。

大気中のCO2のプラネタリー・バウンダリー(人類の安全な活動限界点)を350ppmとする(科学者たちの合意)。

そして、過去の排出量を調べ計算した結果が以下の図(「資本主義の次に来る社会」121p)である。

1850年~2015年の排出量を計算し、可能な限り消費ベースの排出量を用いている。

どの国が350ppmをどのくらい超過してきたか。気候変動にどれほど責任を負うか明らかになってくる。

【グローバル・ノースで世界全体の超過排出量の何割か?】
米国40%、EU29%で2/3以上、グローバル・ノースの国々で超過排出量の92%(世界人口割合19%)を占めている。

対照的にグローバル・サウスの国々はわずか8%(世界人口割合81%)で、ノースはサウスの排出権利を大きく奪っている

この状況は、大気の植民地化(大気コモンズの強奪)といっていい。

【気温上昇による影響はサウスに偏っている】
そして、気温の上昇により干ばつによる飢えと伝染病による死の分布は、サウスに圧倒的に偏っている。

2010年には気候変動が原因で40万人がなくなり、98%以上がサウスで起こった。

【2度の植民地化】
サウスは2度の植民化によって苦しめられている、とジェイソン・ヒッケルはいう。

最初は、ノースの工業発展を支えるための資源と労働力の強奪によって。
今は、ノースの産業のCO2排出による大気コモンズの強奪によって


この大きな認識を持って、日本は脱炭素社会実現に向けた方向性を強く持つべきと考える。

次回は、廃棄物・食品ロス等の問題を考える。

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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