コロナ禍のなか、乗り切ってこられたワケ(2)

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前回、お二人の講師の「講演&対談」について、コーディネーターの私が感じたことを記した。

今回、このイベントの最後に話した私の「まとめ」について記す。

なぜ、あらためて「まとめ」を話そうと思ったのか。

それは、参加者が「講師のお二人だからファンを獲得できた、私にはムリ」といったネガティブな感情を抱いたままこの会場を去ってほしくない、と思ったからである。

私なりに、「ファンづくりの考え方・やり方の基本的アプローチ」を伝えたい。

用いたパワーポイントを織り込んで、以下に記していこう。

【ファンとは】
お店を愛し応援してくれる人たち」である。
一介の客からリピーターになり、そして常連客になって、さらにファンに深化していく。

「ファン」のもたらす効果として思いつくのは、以下の通り。

売上に貢献(コアな売上)
仲間への宣伝(宣伝費はかからない)
チャレンジの後押し(持続可能性を追求できる)
ピンチの時の援助(悩みの共有を含め)
ストレス軽減(お客さまとの緊張感の軽減)

ファンとは、有り難い存在なのだ!

【ファンをつくるには】
お客さまの中で、「この店にしかないもの」に魅力を感じる人たちがファンになっていく。

そこで、敢えて「店に無いもの」を自覚し、「あるもの」を見つけ磨く(施設、料理、雰囲気他におけるこだわり)。

そして、独自の「尖った経営コンセプト」を持つことが秘けつと私は考える。

さらに、お客さまに「接近戦」を挑んで、相思相愛の関係を築ければ、「お客さまのファン化」ができると思う!



「尖った経営コンセプト」とは
ここで、たぶん聞き慣れない用語「尖った経営コンセプト」について、私の考えを述べておこう。
※コンセプト:「軸となる基本的な考え方」のこと。

「尖」の漢字は、大のうえに小と書く。
大のうえに立つ小とは、大と差異化し独自性を打ち出して大に勝る、ということであり、そういう経営を目指す。

じつは、この考え方による事例は、私の以前のブログに紹介している(だいぶ前だが、私のファンなら知っているはず・・・笑)。

<事例①>
長野県内のある直売所は「尖った」経営をしている。
経営コンセプトの明示はないが、私は次のように想定する。

生産者と消費者が楽しく出会うプラットフォームの提供



ユニークなのは、直売所運営者は、生産者も作る側の顧客と捉え、買う側の顧客とのマッチングを指向していることだ。

だから、「スイカ重量あてクイズ」とか「生産者の似顔絵掲示」(壁面いっぱいに、壮観)など、他に類を見ない店舗づくりを行い、顧客をファン化している。

これらは、思いつきでやったことではなく、経営コンセプトから導き出され一貫したものである。
※詳しく知りたい方は以下をクリック:「再びドラッカーで直売所を考える」①~③  
https://agri-marketing.jp/2016/08/13/post-2288/ 
https://agri-marketing.jp/2016/08/16/post-2414/
https://agri-marketing.jp/2016/08/23/post-2487/

<事例②>
「尖った経営」の事例2として、私がかつてアドバイスした旅館を取り上げよう。

この旅館は、経営が立ち行かなくなり、経営者が私にアドバイスを求めに来られた。

そして、必死に取りくんだのがこのHPの内容である(今はもうないが)。

前の[ファンをつくるには]のところで書いた「あるものを見つけ磨く」を掲げている。

それを「We are proud of」(当旅館の自慢)としてアピールしている。



さらにユニークなのが、「店に無いもの」を自覚し見える化したことである。
HPに次のように記載し、情報発信した。

【「店に無いもの」を見える化】



この「旅館にないもの」は、一般にマイナス情報である。

しかし、「We are sorry that」(当旅館の申し訳なく思っていること)として何点かを挙げ見える化したことで、ターゲット客が絞られ不満の未然防止も図られた。

さらには、マイナス情報を出すことで、かえって館主の「誠実さ」も感じとってもらえた。
人は人に引きつけられる」のだ。

おまけに、建て増しの分かりにくい建物はマイナスだったが、その造りを逆手にとって、アッと驚く「館内オリエンテーリング」を企画し、好評を博した。

その他、私のアドバイス以上にスピーディーに行動し借入金を返済、今ではこの温泉地の有力旅館になっている。劇変したのである。

※詳しく知りたい方は以下をクリック:「ストーリーにマイナス情報を活かせ!」①②
https://agri-marketing.jp/2017/06/22/post-5968/ 
https://agri-marketing.jp/2017/06/23/post-5975/

これは、業態を問わず展開でき、「ユニークな経営を見出す手法」と思っている。

飲食店は、同業よりも他業態の企業マーケティング事例から謙虚に学ぶべきではないか(私の出番!)。



【最後に】
私のまとめの最後に、このパワポを示し締めくくった。



コロナ禍の中、飲食店のみならず、商売をしているお店は、ファンに助けられてきた。

「尖った経営」を指向し、相思相愛のファンを得て、次なる危機に備え乗り切っていこうではありませんか。

私も微力ながらお役に立ちたい!!

この記事を書いた人

長谷川 正之
長谷川戦略マーケティング研究所所長

1955年生まれ、長野県埴科郡坂城町出身。長野県信連勤務後、政策研究大学院大学で公共政策修士を取得。長野県や上田市で統一ブランドの創設や農産物マーケティングを推進。また、小学校PTA会長や地域活動にも積極的に取り組む。現在、中小企業診断士・公共政策修士として「長谷川戦略マーケティング研究所」を立ち上げ、企業や行政のマーケティング支援に従事している。落語鑑賞が趣味で、「上に立つより前に立つ」や「やってみなければ幸運にも巡りあえない」という言葉が好き。
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